前回に続き、自治体財政比較アプリの使い方です。
歳入項目や歳出項目の細かい解説は後で記事にしていきますが、
今回は自治体同士での比較の方法について解説します。
まずは分析の基本をおさらい
このアプリは総務省の統計情報サイトをベースにWeb上で簡単な分析ができるように作成しました。
元々は単票の各市区町村の決算カードですが、これだけ見せられて分析しろと言われてもなかなかシンドいものがあります。
分析をしろと言われても、この1枚の表だけを見て分析をする事はできないのです。
(「お、おぅ」となるだけですね?分析に入る以前に疑問・問いが立てられない)
分析をする際に重要な手順は、
①疑問・問いを立てる→②仮説を立てる→③仮説を裏付けるデータを集める→④分析結果として整理する
この順序で進める事が重要です。
では①の「疑問・問いを立てる」のに簡単な方法が2つあります。
- 時系列を見る(過去から現在にかけてどの様に推移しているか?)
- 比較してみる(隣の市区町村と比較してどうなのか?)
前回の説明で推移グラフから、「人口がジリジリ減って、財政力指数が落ちてるな」くらいは掴めたと思います。
例えばこのグラフから、「歳入と歳出はほぼ並行に推移してるのに、公債費負担比率は上昇しているのか?」と言う疑問を持ったとしてもここではOKです。どこか別の記事で理由は解説します。
他の自治体と比較をしてみよう
今回はもう一つの分析アプローチ、「他と比較してみる」を解説します。
右上の三線メニューから「自治体比較」メニューを開いてみて下さい。
ここから複数の自治体を選択する事が出来ます。今回は小田原市と隣の南足柄市を比較してみましょう。2つの市を選択します。
※途中まで入力すると、入力した文字を含む候補が出ます。
2つ以上の自治体を入力すると比較する事が出来ます。(最大5つまで)自治体毎に人口も金額も大きく異なるので、構成比で比較しています。
コレも比較の鉄則ですが、指数は指数同士、構成比は構成比同士で比較します。
こうして隣の自治体と比較する事で色々な疑問を持ちやすくなります。代表的なものだと、「何で隣の市の方が人口が多いのに、ウチの市よりも歳入が少ないのか?」などです。こう言った素朴な疑問を仮説作りに役立てて貰えると幸いです。
疑問や仮説さえ出せれば、あとは調べるか誰かに聞くかをすれば良いのですから。